Merosathi Online Project 2020 第1セクション〜ついに出発!!!〜




先週の素晴らしい開会式から1週間後の7月17日に、第二回目のメロサティオンラインプロジェクトが開催されました。メンバーに課せられた初めての課題は「Daily life showcase。」ネパールと日本の日常生活や習慣などをグループ毎にパワーポイントなどにまとめて発表することでした。ついに、ネパール人メンバーと日本人メンバーの交流が本格的に始まったのです。各チーム4人〜6人の小グループに分けられたことにより、少人数のとても濃い交流の機会となりました。『ついに始まったか!』というワクワク感と、メンバー同士が初めましてから始まる不安、この何とも複雑なが混ざった気持ちは、きっと日本人メンバーもネパール人メンバーもみんな同じだったはずです。
Facebookを利用したやりとりがメインになるため、さっそくアプリを入れて慣れない操作に困惑するゼミ生、ネパール人の返信の速さと英語タイピングの早さに苦戦しつつも楽しみを見つける学生皆必死でした。

そして発表当日。どのグループも本当に個性的で楽しそう。一週間の交流で仲良くなったことが伝わってくるプレゼンテーションでした。異なる環境、衣食住スタイルの元に暮らす異国の学生同士が、1週間でここまで仲を深めることができるのか!と感動しました。また、ビデオ通話、Zoom、そしてチャットといったオンラインだからこそできる強みを最大限に活かして準備に取りかかることができたんだと、各チームの発表を通じて感じました。

発表中に動画が流れないトラブルにも、全員でフォローしあいながら無事成功に終わった第二回目のメロサティプロジェクト。次のプロジェクトに向け、メンバーは止まることなく交流をしています。さて、次回はどのような新しい色をこのメロサティオンラインプロジェクトに重ねるのか。プロジェクトは始まったばかりです。4か月続きます!これからの活動に乞うご期待!

(文責: 岩田桃香)

第5章 「感電男による関ゼミ10,000字プロジェクト」

倒れかけた関先生を再び起き上がらせるために流した10,000ボルトの電流は見事に先生を感電させ、私たちは歓喜に沸いた。
「よし、これでみんなでネパールに行けるぞ!」
とそのとき、一人のゼミ生が皆を制するように声をあげた。
「ちょっと待って!あれを見て。やばいよ!」
彼女が指さす先には、関先生の横で一緒に通電してしまい、よだれを垂らしビリビリと大きく震えながら目をギラギラ輝かせている男がいた。
「充俊(あつとし)だ・・・オウ・マイ・ゴッド」。
よりによって一番刺激を与えてはいけない人に・・・。一同思わず自身の顔を覆った。
ここで充俊に触れておこう。
充俊=「僕は1日1冊、1年間に365冊の本を読んでいます!」
  この公式は、もはや関ゼミの定説である。関ゼミは「交流からの学び」をキーワードとしているため新たな出会いが多い。その度に自己紹介(日本語・英語)をするのだが、彼はその度に超強烈な自己紹介で相手をドン引きさせる。上記の彼のセリフを私たちゼミ生は少なくとも30回聞いた気がする。初見でこの言葉を聞いた時は誰しもが驚いたが、今や聞きすぎて誰も反応しなくなった。
彼を語るには”読書家”という文字だけでは足りない。膨大な読書量から蓄積された知識を脳内に宿す彼は、半端ない数の東大生を輩出する高校でディベート部に所属していた。その知識と表現力を関ゼミでも存分に発揮していた。私たちが読解困難な論文に議論が煮詰まった時、持ち前の情報力を駆使し円滑な討論へと導いてくれたこともあった。その一方でかなり極端な側面もある。あるとき授業中に議論が白熱し、
「充俊、喋りすぎ。他の人に発言の機会を与えたいから少し抑え目に」
と関先生に授業後に助言されたそうだ。しかし、彼に「少し抑え目に」などという中途半端は通用しない。先生の助言を真に受けた彼は翌週の授業では一言も発せず微動だにしなかった。まるでマダム・タッソー館の蝋人形のようになってしまったのだ。今度は一言も発しなくなってしまった。それはそれでゼミ生も困惑する。“充俊”という人物を表す物差しは0か100という極端なもので、常人の50という数値が存在しないらしい。また、彼は運動能力も長けており柔道で黒帯、他にも合気道、陸上、サッカーなどあらゆるスポーツに力を入れてきた。授業中になぜボクシングにはまっているのか聞いてみた。その理由は・・・。
「あしたのジョーを見て、自分も燃え尽きてみたいと思ったんです。」
彼のエネルギー消費には脱帽である。
目をぎらぎらとさせながら感電している彼を見て、これからゼミに降りかかってくるであろう「何か」を感じ、皆に強い緊張感が走った。
事はサブゼミ中に起きた。
日本国内外での異文化交流や多文化共生をテーマとする関ゼミは、自分たちの活動をどのように広めるか考えていた。
そこで満を持して充俊に蓄積された10,000ボルトが放電された。
「SDGs学生小論文アワードという、『 企業が持続的に成長するためにSDGsにどう取り組めば良いのか?』をテーマに“10,000字”で論ずるコンテストを見つけました。これに応募しましょうよ!!!」
彼の持つ“10,000”ボルトがまさかこんな形で体現されるとは、、
早速皆でコンテストのウェブサイトを調べた。応募開始は半年前、締め切りは10日後。優勝賞金100万円。伝統あるコンテストだけにきっと応募者は一年くらい準備して臨んでいるはずだ。それをあと10日で?絶対無理。誰しもそう思った。
「僕は関ゼミの10年以上にわたる実績を既に調べ上げています。関ゼミは受賞に値するくらいの活動をしています!」
もうこうなったら彼を止めるのは不可能だ。その日から恐怖の10日間を覚悟した。
10,000ボルトの電流は実は他のゼミ生にも通電してしまったらしい。充俊の声がけに何と8名ものゼミ生が手を上げたのだ。オンライン授業の大量課題で猛烈に忙しい最中。関ゼミは常軌を逸しているとしか思えない。その日の内に役割分担が決まった。
考えてみれば、この8人は直接会ったことが一度もないのだ。バーチャルな関係しかない8名がわずか10日間で論文を完成することなどできるのか・・・。
しかし、さすがは充俊。
「8人いれば1人約1,000字。10,000字なんて楽勝だよ。」
繰り返すが関ゼミ生はハイスペック集団。一度目標が決まれば行動力は凄まじく、猛烈な作業が始まった。「忙しくても、時間なんて作ろうと思えばいくらでも作り出せる。」それぞれ課題があるにも関わらず、たった数日間で必要な情報を充俊をはじめとする執筆者に提供した。後はそれを元に論文をまとめるだけ。充俊はフルチャージされているため100メモリの状態で集まった文章を編集した。
そして・・・締切日前日、彼らはついに編集を終えた。
提出日を迎え、プロジェクトチームのグループLINEでは8人が集まり論文の見直しを行った。LINEの通知が一日中鳴り止まず、そこでも熱い議論が交わされた。いつもは気にならないはずの時計の秒針の音が聞こえる中、実際に提出した時間は締切の3分前であった。提出した瞬間、「間に合ってしまった・・・。」と8人は電池切れ状態になった。
※実はこのコンテストは、応募条件として「チームの場合は3名まで」とある。その条件をクリアするために8名中5名は黒子に徹し、3名が代表して執筆した。
このプログラムの優勝者には賞金100万円が授与される。ゼミ生は100万円あったら~と夢を語っていた。
さて、恐怖の10日間が終わり、一息ついていると関ゼミの「お兄さん」(東経大4年生)こと亮さんから
「ねぇ、みんな大事なこと忘れてない?パイロットがネパールに向けて離陸を待っているんだけど。もう時間がないよ。早く飛行機に乗ってシートベルト締めて!」
そう言われてはっとした。そうだ私たちはネパール国際交流プロジェクトを開催するために、関先生を感電させようとしていただけなのだ。なのにまだ飛行機にも乗り込んでいないなんて!!!
無事に心を取り戻した関先生と関ゼミ生はいよいよネパール行きの飛行機に乗り込み、ネパール国際交流プロジェクトの準備を開始する。
次回「ネパール国際交流プロジェクト開幕!!!」

「Merosathi Online Project 2020」開会式開催!コロナ禍に負けるな!


2020年7月10日(金)ついに「MerosathiProject 開会式」が開催されました。厳しい選考を勝ち抜いたネパール学生17人と関ゼミ生17人が初対面しました。

例年の関ゼミでは、9月にネパールなど南アジア・東南アジア諸国において2週間の国際学生交流活動を実施してきました。しかし、今年はコロナウイルスの影響により渡航禁止という最悪の事態を迎えましたにもかかわらず常に前向きなゼミ生は、これをいい機会だと考え、新たな、これまでにないプロジェクトを考え出しました。それが、4ヶ月間かけてオンライン上で交流する「Merosathi roject(メロサティプロジェクト)」です。

ゼミ生もネパール学生も自宅に閉じ込められながらも。国際学生交流研修と同じくらい、いやそれ以上の密度の濃い経験と体験ができるであろうオンラインプロジェクトを両国の学生で盛り上げていきます。

今回のプロジェクトのテーマはSDGsです。実は、この新プロジェクトを考える前から、個々の学生はSDGsに関わる活動を経験していました。SDGsゲーム簡単に学べる仕組みを考えたいれば、SDGsのいくつかのゴールについて議論を重ねてきた人もいま過去の海外研修でも常にSDGsは意識してきたそうです。ですので、私たちゼミ生にとってSDGsとは関わりが強いものです。今回のプロジェクトでSDGsと社会問題について日本人学生とネパール人学生が一緒に議論し、その中でお互いの文化理解を深めていきます。


そして、ついにそのプロジェクトの第1回目が行われたのです。


全員がzoomに入ったことの確認が取れた後、Zoom上で打ち上げ花火があげられました。そして動画、パワーポイントなど使える機材を駆使し、お互いに自己紹介を行いました。もはや、オンライン上とは思えないほどの臨場感溢れるハイクオリティーでした。

日本人学生は全員で、クラッカーを鳴らし、ダンスを披露しました。一方でネパール学生は生歌を披露しました。言葉では伝えきれないお互いの思いを感じ取ることが出来ました。

2時間の「Merosathi project オープニングセレモニー」はあっという間。次週までの宿題を与えられ解散しました。

最後に、このプログラムが最強であることを印象付ける一言で締めくくります。11月にアジア各国のみならず世界中の学生が集う学生たちの祭典国際学生サミット2020」をオンラインで行いますオンラインの強みは人数制限がないこと。4か月前の現在、既に数か国だけで100名以上の参加が確定しています。まだ宣伝も開始していないのに・・・。

これからの「Merosathi project」の活動乞うご期待

(文責:江川佳穂)






第4章 「父の日サプライズ!!歌の力でフルチャージ!!」


私たちは「自立」する時が来た。先生にはもはや「飛行機」のタラップを登るエネルギーは残っていない。置き去りにするのは大変申し訳ないが、致し方ない・・・。大学のゼミにおいて、教師を置き去りにして学生だけが飛び立つことなどあり得ないはずだが、それがまさに今目の前で起ころうとしていた。

仕方ないのだ。

ある時は、私たちがネパール学生と互いに動画を送り合い交流を深めようとしている真っただ中に、オンライン授業の過酷さ故に自己嫌悪に陥り「私を置いていってください…」とまさかの自滅発言。無礼を恐れずに言えばまるで誘蛾灯に照らされ翅のなくなった昆虫のようだった。

またある時はzoom授業の途中にゼミ生全員の視線が集まるカメラの前で頭を抱え「The 悩んでいる人」ポーズ。

落ち着きを払ったゼミ生を他所に、先生だけがまるで電気の使いすぎでブレーカーが落ちたり、漏電したりするようにてんやわんやしていた。

「置き去りにしてごめんなさい。私たちは世界に向けて飛び立ちます。先生はもう私たちのことは忘れてごゆっくり・・・。」

飛行機のドアは閉じ、離陸に向けてゆっくりと機体が動き出した。

と、そのとき、一人の学生が電光石火の如く皆に大きな声で熱く語りかけた。「こんなの、あんまりだわ。もう一回だけ最後のチャンスをあげようよ。倒れかけている先生に熱い心からの叫びと励ましの歌を送れば、再び立ち上がってくれるかもしれない。これがだめなら私も諦める。」

 

声の主は榎本みう。別名、関ゼミの「歌姫」(本ブログ担当者のひとりでもある。)

これまでも度重なる苦境を力強い歌声で救ってきたみうに皆の視線が集まった。

「みうがそこまで言うなら・・・。」
とゼミ生の決意は固まった。

目標が決まれば関ゼミの準備は早い。関先生に10万ボルトの閃光を注ぐために、実行日は「父の日」と定めた。関先生が自分たちの父と年齢が近いとはいえ、大学教授を“お父さん”と呼ぶゼミ生は滅多にいないであろう。休日である父の日に、ゼミ生からお父さんと呼び掛けられる展開など先生は絶対に予想をしていないと考えた。

そして先生の趣味嗜好というベールを剥がすべく、ゼミ生総出でネット上にある先生の情報を全て調べ上げ、たった一週間で関先生の人生をほぼ網羅した。(達成感と共にネットの恐ろしさも感じた。)

あるゼミ生が言った。「関先生は大のユーミン好きだぞ。」
みうはこれに強く反応した。「それだ!ユーミン風でいこう!」

「私が歌うからね。みんなは最後に一緒に「関先生、ありがとう」って言うだけでいいから、気持ちを込めて言ってね。わかった?」

普段は温厚で静かなみうがいきなりゼミ生をてきぱきと仕切り始めた。その変わりように皆は圧倒され、言われるままにするしかなかった。
ゼミ長は「パイロット」に、機体を一旦停止するように指示。みうはその場で作詞に取りかかった。文才のある彼女にとって関先生の心を奮い立たせる程度の歌詞などお手の物だ。あっという間に完成させギターを手に取り、ユーミン風の歌にしてしまった。

時間が限られる中、既存の音源に頼らず必死に歌を練習し続けるみうは、まるで白熱電球を発明しようとするエジソンのようであった。オリジナリティ溢れ、電気ストーブの熱のように心が温かくなる歌をこんな短時間で作れる彼女はカリスマとしかいいようがない。

限られた時間の中でもプロジェクトは緻密に練られた。作戦はこうだ。

まず、父の日である6月21日日曜日の夜23時に、ネパールプロジェクトについてセクションリーダー会議をZoomでやりたいと先生に声かけをする。そして当日先生が登場したら話し合いを装い、途中で歌を歌い始め、先生を驚かせてエネルギーをチャージする。

しかし、ここでも先生が面倒を起こす。会議を提案したところ、「そんな会議は必要ない」と一歩も譲らないのだ。

「日曜の夜23時にゼミの会議とか、大学の授業として普通にまずいでしょ。緊急事態ならともかく。」

ここまで来たら“騙すしかない”という結論に至った私たちは、「先生、今ここでは言えませんが緊急事態なんです。会議に参加してくださればわかりますよ。何とかお願いします!」といって拝み倒した。

そして父の日当日・・・

ゼミ生がスタンバイしている中、時間通り、日曜の夜23時に、深刻な話が待ち受けていると勘違いしている関先生がZoomに登場した。先生は困惑しながらもゼミ生の様子をうかがっていたが、戸惑った様子で言葉を発した。

「え?なんで全員いるの?リーダー会議なのに?」

思わず爆笑しそうになったがここは抑えないといけない。おもむろにゼミ生がパワポスライドを共有しながら、ネパールプロジェクトの相談を始めた。

数分後、スライドをめくって…

「関先生!!これは真っ赤な嘘です!!!!」と力強く宣言!!

まったく意味のわかっていない関先生は「ぽかん」としている。そこにゼミ生渾身の動画がZoomに流れ始めた。

動画によりゼミ生ひとりひとりが帯電する電気が寄り集まり、先生に1000万ボルトの電気ショックを流した。動画が終わったころには先生の心はフルチャージされていた。

そして・・・!さらに・・・!

私たちの流した電流があまりにも強すぎたのか、関先生のみならず、充俊(あつとし)というもう一人のゼミ生をも感電させてしまった。彼が「ビリビリ」と感電している様子は画面上からも見て取れた。「やばい。あつとしを助けなければ。」

しかし手遅れだった。フルチャージされてしまったその感電男の口からまさかの"爆弾発言"!誰しもが驚き凍り付くようなとんでもない提案をしてきた。

「え、あつとし、気でも狂ったの?」

次回「感電男による関ゼミ10,000字プロジェクト」