東京経済大学関昭典ゼミナールには、様々な国・地域の学生が集まるスーパーグローバルゼミ。 定期的に日々の活動、イベントのお知らせなど配信していきます!
第7章「ついに!ネパール学生とのオープニングセレモニー開幕!!」
第6章「いざ!メロサティ島へ!!!」
Merosathi Online Project 2020 第2セクション~このプロジェクトはまだ始まったばかり~
Merosathi Online Project 2020 第1セクション〜ついに出発!!!〜
第5章 「感電男による関ゼミ10,000字プロジェクト」
「Merosathi Online Project 2020」開会式開催!コロナ禍に負けるな!
第4章 「父の日サプライズ!!歌の力でフルチャージ!!」
仕方ないのだ。
ある時は、私たちがネパール学生と互いに動画を送り合い交流を深めようとしている真っただ中に、オンライン授業の過酷さ故に自己嫌悪に陥り「私を置いていってください…」とまさかの自滅発言。無礼を恐れずに言えばまるで誘蛾灯に照らされ翅のなくなった昆虫のようだった。
またある時はzoom授業の途中にゼミ生全員の視線が集まるカメラの前で頭を抱え「The 悩んでいる人」ポーズ。
落ち着きを払ったゼミ生を他所に、先生だけがまるで電気の使いすぎでブレーカーが落ちたり、漏電したりするようにてんやわんやしていた。
「置き去りにしてごめんなさい。私たちは世界に向けて飛び立ちます。先生はもう私たちのことは忘れてごゆっくり・・・。」
飛行機のドアは閉じ、離陸に向けてゆっくりと機体が動き出した。
と、そのとき、一人の学生が電光石火の如く皆に大きな声で熱く語りかけた。「こんなの、あんまりだわ。もう一回だけ最後のチャンスをあげようよ。倒れかけている先生に熱い心からの叫びと励ましの歌を送れば、再び立ち上がってくれるかもしれない。これがだめなら私も諦める。」
声の主は榎本みう。別名、関ゼミの「歌姫」(本ブログ担当者のひとりでもある。)
これまでも度重なる苦境を力強い歌声で救ってきたみうに皆の視線が集まった。
「みうがそこまで言うなら・・・。」
とゼミ生の決意は固まった。
目標が決まれば関ゼミの準備は早い。関先生に10万ボルトの閃光を注ぐために、実行日は「父の日」と定めた。関先生が自分たちの父と年齢が近いとはいえ、大学教授を“お父さん”と呼ぶゼミ生は滅多にいないであろう。休日である父の日に、ゼミ生からお父さんと呼び掛けられる展開など先生は絶対に予想をしていないと考えた。
そして先生の趣味嗜好というベールを剥がすべく、ゼミ生総出でネット上にある先生の情報を全て調べ上げ、たった一週間で関先生の人生をほぼ網羅した。(達成感と共にネットの恐ろしさも感じた。)
あるゼミ生が言った。「関先生は大のユーミン好きだぞ。」
みうはこれに強く反応した。「それだ!ユーミン風でいこう!」
「私が歌うからね。みんなは最後に一緒に「関先生、ありがとう」って言うだけでいいから、気持ちを込めて言ってね。わかった?」
普段は温厚で静かなみうがいきなりゼミ生をてきぱきと仕切り始めた。その変わりように皆は圧倒され、言われるままにするしかなかった。
ゼミ長は「パイロット」に、機体を一旦停止するように指示。みうはその場で作詞に取りかかった。文才のある彼女にとって関先生の心を奮い立たせる程度の歌詞などお手の物だ。あっという間に完成させギターを手に取り、ユーミン風の歌にしてしまった。
時間が限られる中、既存の音源に頼らず必死に歌を練習し続けるみうは、まるで白熱電球を発明しようとするエジソンのようであった。オリジナリティ溢れ、電気ストーブの熱のように心が温かくなる歌をこんな短時間で作れる彼女はカリスマとしかいいようがない。
限られた時間の中でもプロジェクトは緻密に練られた。作戦はこうだ。
まず、父の日である6月21日日曜日の夜23時に、ネパールプロジェクトについてセクションリーダー会議をZoomでやりたいと先生に声かけをする。そして当日先生が登場したら話し合いを装い、途中で歌を歌い始め、先生を驚かせてエネルギーをチャージする。
しかし、ここでも先生が面倒を起こす。会議を提案したところ、「そんな会議は必要ない」と一歩も譲らないのだ。
「日曜の夜23時にゼミの会議とか、大学の授業として普通にまずいでしょ。緊急事態ならともかく。」
ここまで来たら“騙すしかない”という結論に至った私たちは、「先生、今ここでは言えませんが緊急事態なんです。会議に参加してくださればわかりますよ。何とかお願いします!」といって拝み倒した。
そして父の日当日・・・
ゼミ生がスタンバイしている中、時間通り、日曜の夜23時に、深刻な話が待ち受けていると勘違いしている関先生がZoomに登場した。先生は困惑しながらもゼミ生の様子をうかがっていたが、戸惑った様子で言葉を発した。
「え?なんで全員いるの?リーダー会議なのに?」
思わず爆笑しそうになったがここは抑えないといけない。おもむろにゼミ生がパワポスライドを共有しながら、ネパールプロジェクトの相談を始めた。
数分後、スライドをめくって…
「関先生!!これは真っ赤な嘘です!!!!」と力強く宣言!!
まったく意味のわかっていない関先生は「ぽかん」としている。そこにゼミ生渾身の動画がZoomに流れ始めた。
動画によりゼミ生ひとりひとりが帯電する電気が寄り集まり、先生に1000万ボルトの電気ショックを流した。動画が終わったころには先生の心はフルチャージされていた。
そして・・・!さらに・・・!
私たちの流した電流があまりにも強すぎたのか、関先生のみならず、充俊(あつとし)というもう一人のゼミ生をも感電させてしまった。彼が「ビリビリ」と感電している様子は画面上からも見て取れた。「やばい。あつとしを助けなければ。」
しかし手遅れだった。フルチャージされてしまったその感電男の口からまさかの"爆弾発言"!誰しもが驚き凍り付くようなとんでもない提案をしてきた。
「え、あつとし、気でも狂ったの?」
次回「感電男による関ゼミ10,000字プロジェクト」
第3章「関ゼミのエレメントとネパールプロジェクト始動」
「オンラインプロジェクトは無理。ネパール学生との交流はなし!」
先生の一言でゼミ生の心は奈落の底に落ちてしまった。この状況から関ゼミは立ち直ることはできるのか・・・
第2章→https://note.com/sekiseminar/n/nb81496f988a8
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本題に入る前に、関ゼミ生の‟さわね”(ゼミ内役職‟お姉さん”)について少し触れておく。実はさわねは東経大生ではない。上智大学総合グローバル学部4年生。フィンランド語話者、上智大のゴスペルサークル「サフロ」の中心メンバー。内閣府主催の国際交流プログラムでも日本代表に選ばれた逸材だ、なぜこんなすごい学生が東経大の関ゼミに?
さわねは、2年前、関先生が代表理事を務める団体の主催する日本―ベトナム学生交流プログラムに参加し関先生と知り合った。その後団体の学生アシスタントとして活躍し、今年2月には関先生のアシスタントとしてネパールで2週間プログラムを支えた。
関先生によれば、ネパールの標高2700メートルにあるヒマラヤの奥地に滞在中のある夜、いきなり、「関ゼミに入りたい!なんでもやりますから」と直談判してきたのだそうだ。「こいつ一体何を言っているんだ」と先生は頭が混乱したが、さわねの目は本気。しばらく考え、さわねは東経大のゼミ生が「ウチ」に籠ることなく「ソト」に目を向ける起爆剤になれると考え、特別に許可を出すことにした。
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「ネパール学生とオンラインプロジェクト交流は断念、無理。」と関先生がゼミ生を業風にさらす宣言をする中、一人諦めない学生がいた。それこそがさわねであった。関先生の‟キャラ”を知り尽くしているさわねは確信していた。
「関先生がネパールの学生と交流したくないはずがない…」
一方のゼミ長はミャンマー人で生粋の正直者。さらに彼女の母語はミャンマー語。いくら日本語が流暢と言えど、日本人特有の“行間を読む”ことを強いるのは辛辣であろう。先生の宣言を「文字通り」に受け取っていた。
墜落寸前の飛行機の操縦桿を握るゼミ長はもはやあきらめ、「最悪の事態」を覚悟した。一方の管制官、さわねは必死にゼミ長に訴えた。
「トウエ、最後まであきらめてはいけない。ネパールとの交流絶対できるから!あきらめたら関先生もがっかりするよ!」
「でも、さわねさん、関先生は‟オンラインプロジェクト交流は無理"と言いました。」
「いや、関先生は本当はやりたいんだよ。」
操縦士(トウエ)と管制官(さわね)の必死の攻防は実に数日間に及んだ。他のゼミ生はそのことを全く知らされていなかった。
同時にさわねは、さらに一人一人のゼミ生に前向きな言葉をかけ続け、何とかネパールの学生との交流を実現しようと奮闘していた。
ゼミ長は、さわねの必死の努力に次第に感化され、「日本人は複雑だ」と首をかしげながらも、再び気持ちを取り戻し、操縦桿をしっかりと握り直した。
風の噂で耳にした話だが、さわねは先生にも水面下で地道に交渉を続けていたらしい。管制塔の役割からディスパッチャーまで全てこなし2020年関ゼミを再び気流に乗せるべく必死だったそうだ。東経大のゼミを上智大生が守る。何とも不思議な構図だが、それもまた関ゼミが長年に亘って築き上げてきた独特の文化でもある。
その結果、ゼミ生も関先生もネパール学生とのオンライン交流への意欲が復活!!!
そしてついに、関ゼミ史上初、そしておそらく日本発の「コロナ禍記念『バーチャル』日本―ネパール国際交流プロジェクト」の開催が決定した。
「外出自粛の日本とロックダウン中のネパールの国際学生交流は世界でも極めて稀。どうなるかわからないけど、頑張ろう!」
一転、関先生の口から発せられたのポジティブ発言を、ゼミ生はどのような気持ちで受け取ったのだろう(話がコロコロ変わる笑)。しかし少なくとも機体は再び上昇し始めた。
「よしこれでようやく水平飛行」
ゼミ生たちは、シートベルトを緩めた。これからはきっと順風満帆。バーチャルであろうともネパールの学生や世界中の学生との交流が楽しみ。「ようやく思い描いていた関ゼミに戻った」と一同安堵した。
しかーし。またしても、誰も予想だにせぬとんでもない事態が再びゼミを襲う。発信源はまたしても関先生。なんと
関先生が授業中に自滅してしまった!
教師が崩れ落ちていく姿など滅多に見れるものではない。それが目の前で起こったのだ。
ある日の授業中。先生は異文化間コミュニケーションについて一生懸命説明し、学生も熱心に聞いていた。すると突然、先生が苦悩の表情を浮かべ言った。
「もうだめだ。どうしたらいいかわからない。無理、みんなが授業に興味を持っているかどうかもわからないし、僕の話がためになっているかもわからない。だめだ。僕って最悪だね。」
私たちは真面目に聞いているだけなのに、先生が勝手に自己嫌悪に陥ってしまった。画面上には頭を抱える関先生。
「え、一体何が起こったの?」
状況がわからず唖然とするゼミ生。雲で描かれた道標は深い青い空に溶け込み、行き先を見失ってしまった飛行機のようだった。
もちろん先生もオンライン授業で、いかに盛り上げるか綿密なプランを立て、全力を注ぎ込んでいた。しかし対面授業とは違う環境。さらに、発言者以外はミュート(音声を遮断)にしているためゼミ生の反応を掴めず、関先生は内心「自分の話はつまらないと思って聞いているのだ。」と思い悩んでいたとのこと。
「そんなことないですよ、先生大丈夫ですよ。」
とひたすら先生を励ますゼミ生たち。しかし先生の動揺は収まらなかった。
コロナ禍は学生だけでなく教師の心も蝕んでしまうのか。
ここで、逆に学生たちは決意を新たにした。もはや先生に頼っているだけでは再び失速してしまう。ネパール人との交流プロジェクトを前に破綻する訳には行かない。自分たちで頑張るしかない。
「みんな自立するぞ!」
関ゼミ生を乗せた飛行機は、翼が折れようとも疾風に乗って大空へ再び飛び立った。
第2章富士の聳える国の学生からヒマラヤの国の学生への返信
第2章「富士の聳える国の学生からヒマラヤの国の学生への返信」
心地よい朝凪が吹き抜けるように“ヒマラヤの”ネパールの学生たちから自己紹介動画が届いた。突然に送られてきたハイクォリティ動画。ゆったりと波に体を預けることなどもはや許されない。
「返事を送らないとね。」
関先生の鋭い視線にたじろぎ、ゼミ生は、体の重みを感じながら地上を歩み始めた。
そして、ゼミ生たちは「これからあの剣山を登頂してみせる」そう固く決意し入山した。
書き記すか迷ったが、関ゼミは大学のゼミ、言わずもがな、毎週金曜4限、5限に「多文化共生」や「異文化コミュニケーション」をテーマに白熱した議論を重ねている。4限の授業では、難解極まる内容の資料を読み解く。先生とゼミ生の間では容赦ない火花が飛び交う。まさに一触即発。聞くところによれば、なんと大学院生向けの本だとか。初耳である。されど関ゼミという攻略困難な山に登頂した猛者たち。突飛な質問にも冷静沈着に対応しつつ、烈火のごとく質問を返し立ち向かった。先生も予期せぬ方向から投げ出される難解な質問に、ポーカーフェイスを崩さないよう必死に答えていた。
授業中は熾烈な論争(もはや戦い)が繰り広げられ、一点の隙も見せまいとする緊張感が漂う。それはまるで山登りの道中、呼吸のリズムを一定に保ち続けろと命令を受けた登山部員のようだった。この中にいる誰もがこの状況を“乱してはいけない”という雰囲気に包まれた。
しかし、4限の読解困難な本を通じたバトルはウォームアップに過ぎないのだ。いわゆる本番は活動セクションごとに話し合う5限(そして6限)。
荒れた海には戻るまいと後ろを振り返る学生はおらず、山頂を目指した。まだどこかで関ゼミの可能性を信じてゼミ活動に情熱を注いでいた。そして、指針としてゼミ生のやりたいことをリスト化した。
さて、本題に戻る。ネパール学生からの贈り物に何を返せるのだろうか。時間に迫られる中、必死の思いで知恵を絞り出したが中々いいアイディアが出てこない。目の前の濃霧に歩みを止められてしまう。
「ネパール人のことを何も知らない私たちが彼らを感動させるものを返すことなどできるのか・・・。」
「インパクトのあるものをやりましょう!」
もはや先生は、学生を混乱に陥れることが趣味か、としか思えない。しかし、慣れとは恐ろしい。学習力の高い学生たちは、先生の“場を乱す”雄たけびにもはや顔色を変えることはなかった。
ダンスが得意なゼミ生が「私やりましょうか?」と難題に臆することなくその場を仕切り始めた。
「私が簡単な振付を考えるのでみんなで踊りましょうよ!派手に行きましょう!」
と半ば投げやりとも思える提案。矢のように先生の頭に突き刺さった。動揺を隠せない先生(ただぽかんと見つめるだけ)。「好きなことをやれ」の発言に素直に対応してしまうピュアなゼミ生。山の澄んだ空気しか吸ったことがないような高潔な学生だ。
その後、ダンス動画の構成や選曲まですんなり決まってしまった。このスピード感に関先生は脱帽である。たとえ目の前の倒木が行く手を阻もうとも、すぐに答えを導き出すゼミ生であった。
時は数日流れ・・・
ゼミ生は動画作成の日々を過ごしていた。緊急事態宣言で外出自粛要請を余儀なくされているため、ダンス練習は屋内に限られる。大学生が一人自室でスマホを片手にダンスの特訓をしているという不気味で不可解な現象が発生していた。その光景を想像するだけでぞっとする、いや笑いがこみ上げてくる。 一方、ゼミ生からの熱い期待が注がれる先生はと言うと、まさかの「僕は踊らない」宣言!? 一同「絶句」である。 好き放題言っておいて自分は踊らないなんて・・・。
そのうえ、ゼミ生が動画作成に追われている中(予想以上に時間がかかった)、学生からの反応に先生は疑念を持ったそうだ。
「こいつら、動画制作のこと忘れたな。まあ、学生なんてそんなもんだ」
酷い、あまりに酷すぎるではないか。
翌週の授業はあらゆることが空回りで最悪の展開が続いた。関ゼミに入ったことを一同後悔し・・・かけたその瞬間!
「できました!!!!」
山の向こうまで遠く澄み渡るような大きな声。待ちに待った動画完成の合図だ!
動画が流れる画面にゼミ生の視線は釘付けになった。
「ダンスの振付から動画編集まですべて完璧、凄い!!」
拍手喝采であった。“ブロッケン現象”を目撃し、剣山を登頂した気分だった。やった、ついにやった!
ふと、モニターの左上に写る先生の様子を伺うと、我々の歓喜を覆い隠す雲海のような薄暗い複雑な表情を浮かべていた。
「次は何を考えているのだろうか?」
早速ネパールに私たちの動画を届けた。すると、大喜びしてくれた。
「このままネパール学生とやり取りを継続し、プロジェクトとして活動をスタートさせてしまおう!」とゼミ生は歓喜の渦に。
しかし!
ここでもまた、薄暗い表情の先生の口から、一同を崖から突き落とすまさかの「トンデモ」発言。
「オンラインプロジェクトは無理。ネパール学生との交流はなし!」
「先生、それはないでしょう・・・。」
一気に白けてしまうゼミ生。つい先ほどの一瞬の高揚感は地に落ちてしまった。海外研修準備の過酷さは先輩からよく聞いていた。オンラインの難しさもわかる。でも、先生、何故にこのタイミングで??
「絶望的だ」この一言を心の中で呟かなかった者は誰もいない。ゼミ生の心は奈落の底に突き落とされた。
次回予告 ゼミ長と上智大生の起死回生の大奮闘
関ゼミ生のダンス動画→ https://youtu.be/6RHujiMSWBc
文責:榎本みう 岡田美和
写真提供:尾口梨栄奈 トウエ・タッタ・サン
第1章「沈む幻惑、浮かぶ眩惑」
新型コロナにことごとく打たれ、もはや「青天の霹靂」立ち尽くすことしかできない関ゼミ。それを打開するべく、ミャンマー出身ゼミ長の提案で始まった“Zoom人狼ゲーム”。ゼミ生同士の心の距離を狭めることができたと喜んでいたが・・・。
「やりたいことをやってください。」
私たちは再び、激しい荒波の中に放り込まれることとなった。
「17名のゼミ生を4つのセクションに分けました。セクションメンバーは似たもの同士です。やりたいことを精一杯頑張って、“ゼミ内化学反応”を起こしてください。すごいことを期待しています。」
一人の活発な学生がすかさず質問する。
「具体的には何をすればいいのですか?」
「だから、やりたいことをやってください。すべては君たち次第!」
一同「・・・」
先生が何度も繰り返す「私たちがやりたいこと」の珍回答に、ますます広大な奥深い海底に引きずり込まれていくような気分だった。もともと先輩から「関先生は一筋縄ではいかない」と聞いていたが、もしかしてこの人はただの変人?それとも「やる気のない丸投げ教授?」もう意味がわからない。
「いや、そんなはずはない、先輩方が絶賛する関ゼミ。何か特別な仕掛けがあるはずだ。まずは信じてみよう!」
ゼミ生は必死に自らを鼓舞し、先生が勝手に決めた、謎めいた各セクションで訳もわからぬまま必死に話し合いを重ねた。その姿はまるで海流に逆らう魚たちのようだった。
しかし、私たちの疑念に追い打ちをかけるように、数日後先生からLINEグループにさらに奇妙なメッセージが送られてきた。
「みんな、好きなことをやろうよ!好きじゃないことは続かないですよ。」
一瞬、時化ていた海が凪いだような気がしていたが、それは大きな勘違いだったようだ。
この全く場の空気が読めない言葉にあきれた私たちの中からは
「好きなことってずっとゲームをやっていてもいいってこと?」
と本気で言い出す学生さえもでてくる始末。もはやカオス以外の何物でもない。
ただでさえ、今の関ゼミは「新型コロナ」という名の、鳴門の渦潮に巻き込まれているような惨事下にいるのに、当の先生は竜宮城に誘われるような恍惚な表情を浮かべ、
「もう、わっかんないよ♡」
「は??もう、わっかんない??」
この驚異の爆弾発言から、私たちはある重要な事実を突き止めてしまった。まさか、そういうことだったとは・・・。
一番溺れているのは学生ではなく先生だったのだ。
私たちは、目の前にいる‟モンスター”が見せた一瞬の隙を見逃すほど愚かではなかった。仮にも厳しいゼミ選考を通過してきた強者たちだ。
100年に一度とも言われる未曽有の危機。先生も人間。右往左往するのは学生と一緒。しかし、大学教授としてそう簡単には弱みを見せるわけにはいかない。だからゼミに入りたての無垢な私たちに、
表情だけは堂々と、「詭弁」を繰り返していたのだ。
何ということだ。指導者すらも迷走する関ゼミ。
さらにコロナの影響でネパール学生との交流も水泡に帰し、途方に暮れていたその時、
デトリタスに埋もれた私たちに海面から天使の梯子が降り注いだ。なんと、見知らぬネパールの学生たちが、“Dear our love Seki Seminar members”(親愛なる関ゼミのみんなへ)と自己紹介動画をモーセの十戒の如く海面を切り開き送ってきてくれたのだ。
「今年はコロナのせいでネパールの学生と交流するのは難しい。」
先生はそう言っていたではないか!羊頭狗肉とはまさにこのことである。
しかし、動画の3分間は私たちの心の灯台に光を灯してくれた。落ち込んでいる私たちの気持ちを見透かしているかのように、元気づける心のこもった一言一言。まるで船から海に投げ出された泳げない船員を救い出すイルカのようだった。
聞けば、高材疾足の彼らは後発発展途上国の劣悪なネット環境を物ともせず、わずか3日間であのハイクオリティ動画を完成させたらしい。まさに”化け物”的優秀集団。
「次は君たちの番だよ。もらったらお返ししないとね!」
先生の目は目の前の獲物を逃がすまいとするサメのごとく真剣そのもの。突き刺すような期待の眼差しから、逃れる術を持ち得ている者など誰もいなかった。
こうして、関ゼミかつてない、あの奇跡の関ゼミ自己紹介動画作成が始まったのである。(動画は→ https://youtu.be/6RHujiMSWBc )
2020年度活動報告~序章「青天の霹靂」~
「青天の霹靂」としかいいようがない。2020年度東京経済大学関昭典ゼミ。
関ゼミの真骨頂は何と言っても海外ゼミ研修。全国どの大学でも経
験できない独特の冒険型研修。ネパールで、ベトナムで繰り広げら れる国際学生交流。これを目指して多くの東経大生が関ゼミを目指 し、合格するのはわずかに一握り。合格学生は思わずガッツポーズ する。
しかし、新型コロナウイルスのせいですべておじゃんになってしまった。あの不屈の関先生でさえ打ちひしがれていた。関ゼミ生募集 の面接では、誰もが未知の世界での異文化交流を夢見、憧れである 関ゼミの活動に思いを馳せていたであろう。期待で胸を膨らませて 、グローバルへの階段を駆け上がるはずだった。ところが、見事に 階段から転げ落ち、奈落の底へ真っ逆さまという惨状である。
ゼミ生同士が会うこともままならず、Zoom上での会話が精一杯のコミュニケーション手段。「他者との交流からの学び」を重視す る関ゼミにとっては最悪としか言えない。ゼミ生の心はお通夜状態 で、皆の顔には阿鼻叫喚という文字がピッタリなほどである。
そんな中、この悪夢のような状況を打破すべく密かに解決策を練っていた人物がいる。ミャンマー人留学生、関ゼミの首領(ドン)こ とゼミ長のトウエさん。ミャンマー語・英語・日本語を自由に操る 強者だ。
初回の授業でゼミ生の闇を感じ取ったトウエさんは、2週目の授業直後にアメージングな提案をした。「ゼミ生みんなで人狼ゲームを しましょう!」ミャンマー人ゼミ長から人狼!ゼミ生の雰囲気はメ タモルフォーゼした。この瞬間、関ゼミに一筋の光が注がれた。 スマホアプリを使った、zoom上で人狼ゲームは、打ちひしがれ るゼミ生の心を一気に癒した。
ゼミ生は各々人狼、村人、狂人、占い師などの役職に分かれた。ゲーム中、ゼミ生全員に「猜疑心」が宿った。「○○ちゃん怪しいか らみんなで釣らない?」「次○○くん襲おう」など物騒な言葉が飛 び交い、いかに相手が信用に足らない人物か散々論じることとなっ た。反面、ゲームを通して3時間喋り続け、コミュニケーションが 生まれ、ゼミ生の絆が生まれた。
2019年度活動報告~クラウドファンディングへの挑戦~
皆さん!こんにちは~こんばんは!
2019年関ゼミは幅広い年代が集まる超党派のゼミでした。まさかの1年生が単位なしで聴講生になり、4年生も就活の合間を縫ってリハビリ参加、AAEEとの一大プロジェクトなどなど。
さらに大学内で「関ゼミ」の名前が広く知れ渡りす・ぎ・た年でもあります。(笑)
まずは、年間のスケジュールから見ていきましょう。
【年間スケジュール】
数々の快挙を成し遂げた勇士たち |
5月 ◎クラウドファンディング準備(申請書類作成)
・AAEE JICA報告会イベント参加
・特別講演会第1弾(講師:Mailyさん/前年度ベトナム研修の現地リーダー)
・高校教員向け大学説明会(東経大を代表して参加)
6月 ・ゼミ合宿@武蔵村山キャンパス
・特別講演会第2弾(講師:関ゼミレジェンド北野先輩)
・第1回ゼミOBOG会@国分寺(史上初開催)
・朝日新聞タイアップ「大学力」の取材を受ける
◎クラウドファンディング開始(支援者を集めて目標の80万円目指す)
7月 ・第2回ゼミOBOG会@新宿
◎クラウドファンディング支援者集めのために複数企業訪問
8月 ・東経大オープンキャンパスで大学を代表して参加
◎クラウドファンディング80万円達成
9月 ・ネパール研修(2週間)
・ネパール全国紙に取材を受け、翌朝の記事になる
・日本-ネパール国際学生サミット2019開催@ネパールシャムロックスクール
10月 ・海外ゼミ研修学内報告会
・学内情報誌「大学報臨時号」にて関先生と学生2名が掲載される
11月 ・ゲストスピーカー講演会(講師:Jasonさん)
・ネパール貧困地域における生活実態調査
・ネパール日本学生の留学意識調査
・AAEE合同学生交流プログラム報告イベント@JICA地球ひろば
12月 ・学内ゼミ研究報告書に4名が参加
・TKUマルチリンガルフェア開催(学長先生も参加されました)
・第1回クリスマスパーティー@某ゼミ生宅
・第2回クリスマスパーティー@関教授宅
1月 ・YouTubeチャンネル開設(Mero SathiTV復活)
3月 ・TKU進一層賞学外活動部門受賞
全ては紹介できないので、気になる方は①Facebookページ②関ゼミブログ③関ゼミ公式Instagramでご覧ください!
【シャムロックスクール支援のクラウドファンディング】
クラウドファンディングを決意した関ゼミ生たち |
しかし、大事件が発生。関先生に相談せずに準備をしてしまったのです。(笑)それでも関先生は、私たちの熱意を感じ、最後まで協力してくださいました。おかげさまで、見事に目標達成できました。本当にありがたいです。また、ゼミOBOGの先輩方や東経大の教員の皆さんをはじめ、家族、友人、関係する全ての人が協力してくれました。本当にありがとうございます。
【ネパール研修】
ずっと離れたくなかったネパールメンバーたち |
【日本-ネパール国際学生サミットの開催】
日本-ネパール国際学生サミット |
【この研修を通して学んだこと】
最後まで諦めずに取り組むことの大切さです。「全国規模で知名度がないゼミが、クラウドファンディングで80万円を集めるなんて無謀すぎる」と、全員が心のどこかで思っていました。しかし、始めた以上失敗は許されません。まだまだ学生なので、責任が取れる身分ではありません。それでも、やり遂げてシャムロックスクールの力になるという想いが大きな原動力となりました。資金集めをしていく途中で「この団体怪しいよ」「危ないからそんなこと辞めたほうが良いよ」と心無い言葉を沢山浴びさせられました。それでも、自分たちを信じて本気で取り組んだからこそ、目標達成し国際学生サミットを迎えることができたと思います。【ネパール活動の発信方法】
主に、SNSを使った情報発信が多かったです。具体的には、関ゼミブログやFacebook公式ページ、公式Twitter(2017年から継続した活動)、新たな活動としては、公式Instagramを開設しました。一番大きな活動は、毎年11月に行われるAAEE合同の報告会です。今年は、クラウドファンディング成果報告も兼ねており、大学外の人たちに発信する大きなイベントでした。関ゼミの授業風景 |
【1年間の活動で達成した事】
・クラウドファンディング80万円達成・ネパール日本国際学生サミット開催
・TKU進一層賞受賞
・関ゼミ史上初のOBOG会の開催
【現ゼミ生へのメッセージ】
進一層賞受賞おめでとう |
この1年間を通じて、1人では何も成し遂げられないことが分かりました。これはクラウドファンディング活動の経験が影響しています。関先生やゼミ生はもちろんですが、資金集めに協力してくださった大勢の人、ネパールメンバーの協力があったからこそ成功しました。この活動を通して、社会に出たら色んな人たちと上手くやっていかなければならないと強く感じました。学生までは、勉強や趣味など1人だけの力で何でもできます。しかし、社会人になれば、会社組織の人々、利害関係者と協力しなければ何も成し遂げられません。そのために異文化学習や言語学習が必要です。ゼミ生の皆さんも、バイトやインターンの経験をよく思い出してみてください。思い当たる節があると思います。
さて、グローバル化により国境の壁がなくなった昨今において活躍できる人材とは、「自分以外の全ての人と上手くやっていける人」であると考えます。これは、まさに関先生の目指す教育像であったと思い知りました。まさにプロフェッショナルから学んだ1年間だったと思います。おしまいに2019年度進一層賞を受賞して、皆が口を揃えて言ったことは、「やり切ってよかった。」でした。皆さんは、どんな時間を過ごしますか?
【ページ作成の協力者】
・谷口惇(2019年度卒)・学部:経営学部経営学科
・職業:物流業界
~編集手記~ 「関ゼミで学んだこと」
「自分以外は外だ」という事ですね。だから、どんな相手でもリスペクトする心が重要です。え??どういう事?と思った、そこの関ゼミ生の後輩さんたち!正解は、自分で確かめましょう。(笑)
私から1つ言えるとしたら、常に考えることが大切です。関ゼミは絶対と言っていいほど、壁が立ちはだかります。その時、簡単に諦める選択をしてほしくないのです。必ず道は開けるはずですよ。立ち止まることなく、一歩でも前に進んでください。ぶっちゃけ、何とかなりますから。ではどうすればいいのか。それは、頭をフル回転させて考えることです。本当に限界まで考えて行き詰まったら、その時は関先生が優しく寄り添ってくれますよ。どうせやるなら、振り切れるくらいまでやり切っちゃいましょう!「本気の失敗には価値がある。」私が大切にしている言葉です。本気で取り組んでみてはいかがですか?
何か困った時は、遠慮なく関先生を通してご連絡ください。困ったら助けてくれる先輩がいる。これが関ゼミの良さです。私も多くの諸先輩方のお力をお借りしました。微力ながらお力になれれば幸いです。ただ忘れないで欲しいことは、私以外の先輩方は学生のように時間があるわけではありません。常に気を遣って接してください。約束ですよ?(笑)宜しくお願いいたします。
2018年度活動報告〜貧困と教育〜
【年間スケジュール】
突撃参加/突撃取材
「ツァイ 睦実さん(なんと関ゼミ1期生!)」
【2年連続盛大に開催したENGLISH FAIR 2018】
聴講生の海野さんはENGLISH FAIR開催をなんとしても開催したいが為に、いきなり企画書を関先生に突き付けました!そして正規ゼミ生と先輩方を動かし、見事70名の動員を達成しTKU NEWSに掲載されました。すごかった!
やはり東経大には英語学習に興味のある学生が非常に多いことがわかり、同時にその学習方法がわからないという学生が多いことがわかりました。関ゼミでは年間を通して英語学習を行なっております。関ゼミ初期の頃はご覧頂ければ分かる通り、英語学習がメイン活動となっておりました。そのDNAは少なからず過去10年以上継承されていました。皆さんも世界共通語を習得し、素敵な出会いと経験をしてみましょう!!
【ベトナム研修】
初のご対面の時に歌やダンス/ゲームをして交流。これがスタートの合図です。いきなりでしたが、我々が驚き学んだことは出会ってすぐにありました。
それは彼らのその研修にかける想いと気合いの強さでした。超ハングリー(笑)超驚きました。しかしなぜあそこまでなのかというと、彼らにとって他国の学生と交流するというチャンスは非常に貴重です。他国に自由に飛び回ることも現実的に厳しい現実があります。しかし、我々は今年楽しかったからまた来年も行こうと言えると思います。彼らは数少ない好機を最大利用し、学びや経験を最後の一滴まで搾り取ろうと必死に全力でぶつかってきてくれました。
最後には現地大学の校長先生等が審査員となり、公式のCompetitionで2週間の集大成を迎えました。
【最後に】
(※このお話は、それが良いとか悪いとかそういう話ではありません。)あなたはどう思いますか?
[設定]
あなたは語学に自信のあるサラリーマンとします。出世で、海外赴任が決まりました。今までのように朝から晩まで月から金までしっかり働き、「現地の人に負けないくらい人一倍努力しよう!」と意気込んでいます。
しかしいざ現地で勤務してみると、皆定時でさっさと帰宅してしまいオフィスに残ってるのはほんの数名だけ。
[質問]
この状況をあなたはどう思いますか?
自分が遅くまで働いてるのに、定時で帰宅する現地の人々はなまけ者だと思いますか?
[解説]
どう感じたからと言ってそれが良いとか悪いとかいう話ではありません。
そのような違いが世の中にはたくさんあるという事を知って頂きたく、この話を最後にしました。
これは、関ゼミで学ぶ異文化学習の1つ、「自文化中心主義」と「文化相対主義」という話です。
自文化中心主義とは、自らの所属する文化が正しいと考え、それを基に他の文化を判断する態度を指します。
文化相対主義とは、相手の文化、社会、相手自身をありのままの姿をよりよく理解しようとする態度を指します。
関ゼミでは例えばこのような事を学んでいました。
自分では受け入れられないことも、一度立ち止まってこの話を思い出して見て下さい。
これから様々な事を感じて学んで、
自分の知らない世界を堪能してみて下さい!