2020年度活動報告~序章「青天の霹靂」~







「青天の霹靂」としかいいようがない。2020年度東京経済大学関昭典ゼミ。

 関ゼミの真骨頂は何と言っても海外ゼミ研修。全国どの大学でも経験できない独特の冒険型研修。ネパールで、ベトナムで繰り広げられる国際学生交流。これを目指して多くの東経大生が関ゼミを目指し、合格するのはわずかに一握り。合格学生は思わずガッツポーズする。
 しかし、新型コロナウイルスのせいですべておじゃんになってしまった。あの不屈の関先生でさえ打ちひしがれていた。関ゼミ生募集の面接では、誰もが未知の世界での異文化交流を夢見、憧れである関ゼミの活動に思いを馳せていたであろう。期待で胸を膨らませて、グローバルへの階段を駆け上がるはずだった。ところが、見事に階段から転げ落ち、奈落の底へ真っ逆さまという惨状である。
 ゼミ生同士が会うこともままならず、Zoom上での会話が精一杯のコミュニケーション手段。「他者との交流からの学び」を重視する関ゼミにとっては最悪としか言えない。ゼミ生の心はお通夜状態で、皆の顔には阿鼻叫喚という文字がピッタリなほどである。
 そんな中、この悪夢のような状況を打破すべく密かに解決策を練っていた人物がいる。ミャンマー人留学生、関ゼミの首領(ドン)ことゼミ長のトウエさん。ミャンマー語・英語・日本語を自由に操る強者だ。
 初回の授業でゼミ生の闇を感じ取ったトウエさんは、2週目の授業直後にアメージングな提案をした。「ゼミ生みんなで人狼ゲームをしましょう!」ミャンマー人ゼミ長から人狼!ゼミ生の雰囲気はメタモルフォーゼした。この瞬間、関ゼミに一筋の光が注がれた。スマホアプリを使った、zoom上で人狼ゲームは、打ちひしがれるゼミ生の心を一気に癒した。
 ゼミ生は各々人狼、村人、狂人、占い師などの役職に分かれた。ゲーム中、ゼミ生全員に「猜疑心」が宿った。「○○ちゃん怪しいからみんなで釣らない?」「次○○くん襲おう」など物騒な言葉が飛び交い、いかに相手が信用に足らない人物か散々論じることとなった。反面、ゲームを通して3時間喋り続け、コミュニケーションが生まれ、ゼミ生の絆が生まれた。

 これは関ゼミが紡ぐ英雄譚の序章に過ぎず、輝かしい未来を迎えるのはまだ先の話である。