2021年7月17日 第三回VJYEプログラム「タレントショー」

  7月17日に、第3回VJYE、ベトナム・日本(英語)交流プログラムが開催されました。

 今回の活動のメインは、「Talent show」で自分の好きなことを、動画にしたり、その場で発表したりしました。


 発表の中では、歌を歌ったり、料理を作ったり、ダンス、楽器を弾いていたりなど個性あるものばかりでした。ベトナムメンバーの中では、日本の有名な歌である「桜舞う」という歌を歌っている人やベトナムでは一般的な「ヌードルピザ」という料理を作っていたりする人もいました。一方日本メンバーの中には、アイドルやオーケストラの紹介、zoom上で歌を歌ったり、怖い話をしたりとそれぞれの個性があふれていました。周りのメンバーはそれぞれの発表をみて、チャットで「すごい!」など活発的に反応するなど、大きな反響がありました。またグループに分かれて、自分のことについて3つの文を作り、1つは嘘のことを言って、周りの人はその人の嘘の文を答えるというゲームをしました。


 その後、論理的思考力を問う問題にみんなで挑戦しました。この問題は、正直村と嘘つき村があって、ある青年が嘘つき村に行きたいと思い、村の境目にいる老人に尋ねようとしました。しかしこの老人がどちらの村人か分からないため、老人がどちらの村人の人か、嘘つき村の方向はどちらか分かる質問を1つせよというものでした。出された問の回答がなかなか思いつかなくて、グループで話し合いをするのも良い案を出すことができませんでした。


 今回の活動を通して、それぞれのメンバーの好きなことや今までやってきたことなどが分かり、周りのメンバーのことをよく知ることができたと感じました。またそれぞれの個性も出ていて、発表を見ていてとてもおもしろく楽しい時間を過ごすことが出来ました。


 これから夏休みに入り、いよいよVJYEプログラムの集中活動期間が始まります。私たちはこの期間、1日5時間ともに時間を過ごし、最終日のサミットに向けて準備を進めていきます。みんなと仲良くなれたので、お互いに協力し合いながら、このプログラムに取り組んでいきたいと思います。次のブログもお楽しみに!

2021年7月9日(金)  岩本悠氏 講演会を開催

 202179()20:00~22:00に、岩本悠氏(地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事/島根県教育魅力特命官)をお招きし、「SDGs&多文化共生スペシャル第4回講演会シリーズ」を開催しました。

 

 岩本さんは学生時代にアジア・アフリカ20カ国の地域開発の現場を巡り、その体験記を出版。印税で学校を建設など非常に精力的にご活躍なされている方です。

 冒頭では学生たちから10分間で岩本さんの3冊の著書(『流学日記』幻冬社文庫、『こうして僕らはアフガニスタンに学校をつくった』河出書房新社、『未来を変えた島の学校』岩波書店)について紹介が行われました。

 

 講演は前半の「岩本さんの講演パート」と後半の「質疑応答パート」に分かれて行われました。まずは前半の「岩本さんの講演パート」について紹介します。

 前半のテーマは「越境」が掲げられました。組織や分野など物理的・抽象的な枠組みを超えていく切り口から人生を振り返るようにして語られました。大学とは遊ぶものだ」と思っていた大学入学時、「このままなんとなく大学生活を過ごすのか」という焦燥感から飛び出した海外留学、社会人になった後も大企業SONYを飛び出して島根県隠岐に越境した経験などが時系列に沿って語られました。

なお、関ゼミ生は皆岩本さんのご著書を読みこんだ上で講演会に臨んだため、岩本さんのご活動内容についてはある程度把握しておりました。そのことを関先生より岩本さんに事前にお伝えくださったため、当日は質疑応答の時間を一時間以上も取っていただき、大変贅沢な時間となりました。

 

 以下、Q&A形式で岩本さんと学生で行われた「対話」形式にて紹介します。

 

Q.学生の頃にしておいた方がいいことはなんですか?

A.たくさんの失敗です。悔しい、まだまだ足りないと自覚して学びへのモチベーションを高めるきっかけになります。したがって早く失敗することで早く成長することができます。

 上記に加えて社会人になると立場や責任が身にのしかかってくるようになり、失敗がしにくい環境に放り込まれざるを得ません。学生時代に相当な失敗を積み重ねていないと、社会人になってチャレンジすることもできなくなってきます。例え失敗したとしても、大怪我(大失敗)をしない転び方を学生のうちに覚えることで、社会人になってからもチャレンジできる人になってきます。

 

Q.物事に関する情熱はどこから生まれるのか?

A.僕は小中高まではクラス委員などのリーダー格というよりはむしろいじめられっ子でした。転機となったのは高校生の夏休みに1人でカナダに留学したことです。海外に「越境」したことで、クラスの人間関係などがとても小さなものに感じました。

 その後も青春18切符で旅行に行くなど、小さいチャレンジを積み重ねることで次第に積極的な姿勢を積み重ねていきました。

 内向的な人間は良さとして、考える時間が長いです。僕自身もどちらかというと、みんなとワイワイやることが苦手です。しかしだからこそ、1人で考える時間を取れます。誰でもエネルギーが尽きることがあるが、エネルギーが尽きたときに再びエネルギーを充電する方法があるといいです。例えば自分の場合は踊りを踊ることが一つのエネルギーの充電方法として存在します。(何か大きな決断をするために)腹を括る時は、日常のモヤモヤした状態では決断はできません。考えられるところまで考えきったら、あとは踊って頭のモヤモヤしたものをスッキリとした状態で決断を下しました。

 

Q.地方創生の根本的な解決策を教えてください!

 地域創生について質問です。都市部に年収が高い仕事や文化が集まっているために、地方に人が行くのは難しいと考えています。隠岐島前前の地方創生を成功させた岩本さんの、地方創生の根本的な解決策を教えてください。

A.結論からいうと分からない。しかし体験してみることはとても重要です。

 僕は東京生まれで、大学まで東京で育ちました。しかし今は島根県に住んでいます。安価な家賃で広い家だったり、夕方4時には帰宅できる環境があったりなど地方だからこそ流れる幸せな時間は実際に自分が地方に住んでみて初めて実感しました。

 実際に住んでみると、自分が住むことでロールモデルとして地方の良さを伝えていきたい。

 

Q.ブータンでも活躍しているとのことですが、今後のブータンではどのようなビジョンをお持ちですか?

A.まず日本すら幸せにできないのに、よそ様の国を幸せにできないと考えて、日本を良くしていくことにも真剣に向かい合っていこうと思っています。

 僕は自他を幸せに知ることが教育の究極の目的だと考えています。Well-Beingという最近の流行の言葉を借用するなら、より良い生活をできるような社会や人材を作り上げていきたいという妄想を考えています。

 「日本でもブータンでも幸せが達成できたならうちの国でも」と他の国でも真似をされていく未来予想図を描いています。SDGs2030年までに達成したいという目標ですが、2030年以降はWell-Being「より良い生活」がキーワードになると思っています。

 

Q.誰かのために生きたいけれど、自分のことを実際には無力だし「偽善」ではないかと思ってしまいます

A.暴力的な言い方をすると、社会の役にたつには「力」が必要です。「力」とは英語力だったり論理的に物事を考える能力だったり、はたまた権力(ポジションパワー)も含まれます。

 私は留学する前は自己満足に生きていて、そのことに自覚もありませんでした。留学をきっかけに「自他満足」に生きたいと思いつつも「力」がないためにできない不甲斐なさに苛まれていました。

 質問者の方は、社会に貢献したいという気持ちを持っている段階ですでに2つ目のステージに進んでいると思います。なので今の行動は決して「偽善」ではありません。その自信を持って「力」を蓄えてください。

 

 

文責:経営学部3年 内田充俊

 

 





2021年7月2日  第二回VJYEプログラム「日本とベトナムの教育について」

 

 72日金曜日、第2VJYE、ベトナム―日本交流プログラム、第二回の活動が開催されましたので報告します。

この日は、まず関先生と一般社団法人アジア教育交流研究機構学生スーパーバイザー(早稲田大学4年)の永島郁哉さんにSDGsについての導入プレゼンテーションをしていただきました。その後は、SDGs活動に向けた準備の一環として、参加学生がベトナムと日本の学校教育制度について、お互いに発表し合いました。

永島郁哉さんがSDGs導入プレゼンテーションで仰っていたことは以下の二つに集約されます。

    Dialog is foundation of everything. (対話がすべてのことがらの土台となっている。)

ここでいう対話とは、自分自身で何かに正面から向き合い、積極的に考えていくこと、という意味です。対話を行うことで、環境や人権などの問題を考えることができるようになり、最終的には持続可能な社会につながるということです。

    Tackling an issue does not mean contributing SDGs. ( 一つの問題に取り組むだけではSDGsに貢献したとは言えない。)

SDGsは一つの課題にだけに向かって取り組んでも、すべての課題を達成することはできません。一つの課題に取り組みながらも、ほかの課題を頭に入れておくということが重要です。

 

次に、お互いの国の学校や教育について発表をしました。この発表に向けて、各グループが自国の教育制度について入念に調べ話し合いました。

発表の中には、自国のことであっても初耳の情報もありました。例えば、読者の皆さんは、なぜ新学期が4月に始まるか知っていますか?諸説ありますが、お米の収穫時期などが影響し、明治時代の会計年度が4月になったことから、学校もそれに合わせたそうです。英語でこのようなことを伝えるのは容易ではありませんでしたが、事前にしっかりと準備をしておいたおかげで、何とかとベトナムメンバーに伝えたい情報を伝えることができました。

 

 またベトナムメンバーの発表から、日本の学校とベトナムの学校で異なる部分があることを知りました。例えば、日本では小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年となっていますが、ベトナムでは日本でいう小学校は5年、中学校は4年となっており、大学も多くの人は3年で卒業するそうです。また、大学生になるとmilitary semester(兵役期間)と呼ばれる、一か月にわたる軍事訓練期間があるそうです。この期間には、生徒は模造銃を使い、射撃訓練を行うそうです。関ゼミの学生達は一同驚いていました。

 

 ベトナムと日本の学校、類似点や相違点を多く発見でき、さらにベトナム学生との交流も少しずつ深まり、とても有意義な時間を過ごせました!次回のブログもお楽しみに!

2021年6月25日 SDGs&多文化共生スペシャル講演会シリーズ第3回 原琴乃氏によるご講演 開催

 6月25日(金)19:00~21:00に、原琴乃氏(外務省所属・絵本作家)を講師、生田研一氏(元 文部科学省所属)をファシリテーターとしてお招きし、「SDGs&多文化共生スペシャル第3回講演会」を開催しました。


何と前回に引き続き東京経済大学の学長・岡本英男先生が最初から最後までお付き合いくださいました。さらには、ゼミ外、学外の多くの皆様がご参加くださりました。


講師にお招きした原さんは外務省職員としてイギリスに居住して欧州外交を担い、直近では6月に開催されたG7サミットにおいて中心的な役割を果たされました。一方で9歳から絵本作家としても活動し、SDGsや教育・保健に関する研究・出版にも携わっています。


今回は当ゼミ主催「SDGs & 多文化共生」の3回目の企画であったことから、前回の山田先生のご講演からもう一歩足を踏み入れてより実務的な内容を取り扱った講演となりました。日本の企業などにSDGsを普及させた具体的手法や、企業の方々との生々しいやりとりなど、滅多にお聞きできないお話しばかりでした。また、SDGsが採択された後の政府や企業の動向について、多文化共生の観点の踏まえてイギリスの事例との比較しながら多角的にお話しいただきました。


中でも、「政府と自治体、国民や企業との間ではSDGsの認知度の差があった」というご指摘がとても印象的でした。政府関係者は認知が早く、自治体は遅かったそうです。また企業は認知の仕方そのものが異なり国民への認知はいまだ広く為されていないようです。


例えば、政府の掲げた「SDGsアクションプラン」の存在を発足当時から認知していた国民はとても少ないということです。SDGsはより多くの人が自分事として考えなければいけない社会課題であるのに対して、国民への認知度が低いことに強い危機感を抱くとともに、その重要性を感じました。


また質疑応答の時間では、ゼミ生、学内外の学生、さらには学長先生からも「企業が行うSDGsウォッシュ」についてや、「日本とイギリスでのSDGsへの取り組み方の類似点」等、積極的な質問が為されましたが、お二人は全ての質問に対して真剣にお答えくださりました。


原先生が最後に仰っていた、「一生フロントランナーで有り続ける」という姿勢がとても印象的でした。



学長先生も強く共感していましたが、ゼミ生も大学を卒業した後でも学び続ける姿勢を忘れないようにしたいと感じました。


改めて、講師の原先生、ファシリテーターの生田さん、ご参加いただいた皆さま、イベントに関わって下さった全ての方々に深く御礼申し上げます。


次回ブログもお楽しみに!